補償協定上の地位確認請求事件
水俣病の患者である親の相続人らが、過去に損害賠償請求訴訟で勝訴して賠償金を受け取った後でも、企業と患者団体の間で結ばれた協定に基づく補償を受ける権利があるかを確認するため、企業を相手に求めた訴訟。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、水俣病の認定を受けた故人の相続人である。水俣病を引き起こした企業との間で結ばれた協定に基づき、患者には協定に基づく補償(金銭的・非金銭的支援)を受ける権利がある。過去に裁判で損害賠償を受けたことと、協定上の補償を求める権利は別であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告企業は、原告らが既に過去の訴訟(関西訴訟など)で損害賠償の確定判決を得てその支払を受けており、水俣病をめぐる紛争は解決済みであると主張。このような者は協定にいう「認定された患者」には該当せず、協定に基づく追加の補償金を支払う義務はないと主張した。
裁判所の判断
裁判所は、協定の目的が単なる賠償にとどまらず、被害者全体の幅広い救済を目指したものだった点や、当時の認定制度が遅れて長期間待たざるを得なかった事情を重視した。訴訟で損害賠償を受けた者であっても協定の適用対象から除外されるわけではなく、認定を受けた患者であれば協定に基づく補償を求める権利があると判断した。
この事件だけの事情
行政の認定制度が遅れて数十年間も待ち続けた末に、やむを得ず損害賠償の訴訟を起こして勝訴した患者について、その後の協定に基づく補償の権利が問題となった点に特殊性がある。
結論
原告らの言い分が認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2017-05-18 |
|---|---|
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成26(ワ)11819 |
| 分野 | 事故 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索