地位確認等請求事件
部落の入会権(山林などを共同で利用する権利)の管理組織において、正会員の資格を男性の血統だけに限定する会則が、男女差別にあたり無効であるかが争われた事件。
訴えた側(原告)の事情
原告らは、地域の林野の入会権を持っていた当時の住民の女子孫である。被告組織が正会員の資格を男子孫に限定しているのは性別による不合理な差別であり、憲法や民法(公序良俗)に違反して無効であると主張し、自身が正会員の地位にあることの確認と補償金の支払を求めた。
訴えられた側(被告)の事情
被告組織は、入会権は家を単位とし家長である男性に帰属するという歴史的な旧慣(昔からの習慣)に従ったものであり、女性に対しても代行会員や特例措置、補償金の支給といった一定の配慮をしているため不合理な差別ではないと主張。また、会員になるには加入契約や申込手続が必要であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、入会権の管理において男性中心の旧慣があったとしても、合理的な理由なく女性を排除する規定は男女平等の原則に反し、民法上の公序良俗に違反して無効であると判断した。また、組織の性格上、実質的な血縁と地縁の要件を満たしていれば入会契約は不要であり、原告らは当然に正会員の地位を取得すると認めた。
この事件だけの事情
沖縄の部落における入会権や、いわゆる「家」制度の旧慣と男女平等の原則との衝突が真正面から問われた事例である。
結論
原告らの言い分が全面的に認められた。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2003-11-19 |
|---|---|
| 裁判所 | 那覇地方裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成14(ワ)1195 |
| 分野 | その他 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索