建物明渡、地位確認
宗教団体の代表者の地位をめぐる争いや、建物の引き渡しを求める裁判で、宗教上の教義(きょうぎ・教え)に関わるため裁判で判断できないとして、訴えが却下された事件。
訴えた側(原告)の事情
宗教法人の代表役員や責任役員の地位にあることの確認を求めた。また、包括宗教法人からの懲戒処分(ちょうかいしょぶん・罰則処分)や命令は無効であり、自分たちは依然として代表等の地位にあり、建物の占有権原(せんゆうけんげん・正当に建物を使う権利)もあると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
宗教法人の代表者としての地位を失った相手に対し、建物の所有権に基づき、その明け渡しを求めた。包括宗教法人の宗規(そうき・内部規則)に基づく懲戒処分により代表の地位を罷免(ひめん・解任)されたため、建物を使う権利も失っていると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、処分の効力を判断するには、宗教上の命令や教えに正当な理由があるか評価せざるを得ないと指摘した。しかし、裁判所が宗教の教義や信仰の内容に立ち入って判断することはできず、法律上の争訟性(こうそうせい・裁判で解決できる事件性)を欠くとして、原告と被告の双方の訴えを却下した。
この事件だけの事情
裁判所が宗教上の教義や信仰の内容に踏み込んで判断することはできないため、法律上の争訟性がないとして訴え自体を却下した事案。
結論
裁判所は原告と被告の双方の訴えをいずれも却下した。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1993-11-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成2(オ)508 |
| 分野 | 不動産 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索