建物明渡、代表役員等地位確認請求事件
宗教団体から僧籍(僧侶の身分)を奪う処分(擯斥処分)を受けた僧侶が、その処分の無効と自身の代表役員等の地位確認を求めたところ、裁判所が教義や信仰に踏み込む判断はできないとして、訴えを退けた事件です。
訴えた側(原告)の事情
宗教団体から受けた僧籍剥奪処分(擯斥処分)は、団体の規定所定の懲戒事由に該当せず、管長ではない者によってなされたものであるため無効であると主張し、自分が団体の代表役員及び責任役員の地位にあることの確認を求めました。
訴えられた側(被告)の事情
内部対立の中で、原告の言説が本尊観や血脈相承に関する教義・信仰を否定する異説であると判断し、規定の手続を経て訓戒を行った上、宗規に基づき正当に僧籍剥奪処分(擯斥処分)を行ったと主張しました。
裁判所の判断
裁判所は、宗教団体内部の懲戒処分の効力を判断するためには、教義や信仰の内容に立ち入らざるを得ず、それは裁判所が中立を保つべき宗教上の事項に深くかかわるため、法令の適用による解決に適しない「法律上の争訟」には当たらないと判断しました。したがって、本件の訴えは不適法であるとして却下しました。
この事件だけの事情
宗教上の教義や信仰に関する事項について裁判所が審判権を有しないとして、訴えそのものを不適法(却下)とした事例です。
結論
訴えられた側の主張が認められ、原告の訴えは退けられました。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1989-09-08 |
|---|---|
| 裁判所 | 最高裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和61(オ)944 |
| 分野 | その他 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索