地位確認等請求控訴
お寺の僧侶(そうりょ)のグループである「法中(ほうちゅう)」という地位や権利があることを巡り、僧侶側がお寺の側に対して地位の確認や妨害の禁止などを求めた裁判。
訴えた側(原告)の事情
原告である僧侶側は、明治時代にお寺の本堂再建に出資した見返りとして、または長年僧侶としての活動を続けてきたことによる「黙示の契約(もくしの中の契約)」や時効によって、地域で法務を行いお布施を受け取る法中の地位を取得していると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被告であるお寺の側は、法中という地位は純粋な宗教上の立場であり、市民的な財産権や契約関係ではないため裁判の対象にならないと主張。また、明治時代の契約や黙示の契約の成立を全面的に否認し、僧侶側を解任したことは有効であると反論した。
裁判所の判断
裁判所は、法中の地位やお布施の受け取りに関する紛争は、教義の解釈に深く入らなくても法律上の契約として判断できるため、裁判所が判断できる「法律上の争訟(そうしょう)」にあたるとした。その上で、明治時代の契約の成立は認められなかったものの、長年の実績から「黙示の契約」が成立していたとは認められるとし、解任の有効性などについて下級審の裁判所に差し戻した。
この事件だけの事情
お寺の内部の宗教的な地位や「法中」と呼ばれる独特の組織・慣習に関する権利関係が法的な契約や時効の対象になるかどうかが争われた、非常に特殊な宗教法上の紛争である。
結論
原告側の請求の一部について、さらなる審理を行うため下級審の裁判所に差し戻された。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 2002-10-25 |
|---|---|
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 平成12(ネ)1201 |
| 分野 | その他 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索