神奈川県退職手当金請求
死亡した公務員の退職手当を受け取れるのは法律上の妻か、長年事実上の夫婦だった内縁の妻か、死亡した職員の兄弟姉妹かが争われた裁判。
訴えた側(原告)の事情
死亡した職員の兄弟姉妹である原告らは、内縁の妻は重婚(法律上の婚姻中に別の者と婚姻関係を結ぶこと)にあたり公序良俗(公の秩序や善良な風俗)に反する上、法律上の妻がいる以上支給対象外であると主張した。
訴えられた側(被告)の事情
被控訴人側は、条例の目的は職員の収入に頼っていた遺族の生活保障であり、法律上の夫婦関係は長年形骸化し、内縁の妻が20年以上にわたり生計を維持してきたため、配偶者として保護されるべきであると主張した。
裁判所の判断
裁判所は、退職手当条例の主たる目的が遺族の生活保障にある点を重視した。法律上の夫婦関係が長期間にわたり完全に形骸化し、一方で内縁関係が20年以上の長期にわたり社会的事実としての夫婦共同生活を維持していた場合、その内縁の配偶者も条例上の「配偶者」に含まれ、民法の重婚禁止規定や公序良俗に反するものではないと判断した。
この事件だけの事情
法律上の婚姻関係が形骸化していた重婚的内縁関係において、例外的に内縁の配偶者を条例上の「配偶者」と認めて受給権を肯定した点が特殊な判断である。
結論
原告らの請求はすべて棄却され、被告側の勝訴となった。
この裁判の情報
| 裁判年月日 | 1981-08-31 |
|---|---|
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
| 区分 | 民事の裁判 |
| 事件番号 | 昭和56(ネ)435 |
| 分野 | 家族 |
判決の全文
出典: 裁判所ウェブサイト 裁判例検索